正応寺(出雲崎町)概要: 常在山正応寺は新潟県三島郡出雲崎町大字大門に境内を構えている曹洞宗の寺院です。正応寺の創建は貞観年間(859〜876年)に藤原冬嗣(当時左大臣)が発願し慈覚大師円仁が開山したとされます。
鎌倉時代に入ると妙照尼(源義経の重臣佐藤維信・佐藤忠信兄弟の生母:音羽御前)が正応寺の境内に庵を結び住んだ事で佐藤家の庇護となり、中国僧の蘭溪道隆が来越して当寺で一時隠棲しました。鎌倉幕府第5代執権北条時頼は道隆に帰依していた関係で、寛元4年(1246)には幕府から寺領3000貫安堵され七堂伽藍を建立、正応寺の最盛期を迎えました。
その後、文安4年(1447)に火災にあうなど一時衰退しましたが、永禄10年(1567)に上杉家家臣直江兼続が堂宇を再建し寺領50石を安堵しました。現在の本堂は享保16年(1731)に再建された古建築物で広い境内はどこなしか古い歴史を感じさせてくれます。寺宝には佐藤兄弟の遺品や蘭溪道隆の筆跡、北条時頼が送ったとされる古仏などがあります。
薬師如来坐像は平安時代後期に製作されたもので檜材、一木造、像高84.5cm、意匠に優れ当時の特徴を継承している貴重な仏像として昭和46年(1671)に新潟県指定文化財に指定されています。宗派:曹洞宗。本尊:釈迦牟尼仏(伝:慈覚大師作)。
正応寺:上空画像
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