筥堅八幡宮(村上市)概要: 筥堅八幡宮は新潟県村上市勝木に鎮座してる神社です。筥堅八幡宮の創建は平安時代の延喜21年(921)、筥崎宮(福岡県福岡市:筑前国一之宮)の分霊を勧請したのが始まりと伝えられています。
ただし、延長5年(927)に編纂された延喜式神名帳に式内社として記載された蒲原神社の論社でもあり詳細は不詳。神域は陸地から突き出た崖地で標高60〜70mある事から古代から自然崇拝の対象になっていた可能性もあり、その遥拝所や、海上交通の目印とした海運業や漁業関係者から篤く信仰されてきました。
当初は御神体と思われる筥堅山、又は鉾立岩の遥拝所として古宮の地に鎮座していましたが、その後、現在地である筥堅山(標高72m)山頂に遷座、慶長2年(1597)に描かれた「越後国絵図」でも八幡宮として記載されている事から少なくともこれ以前から当地に鎮座していたと思われます。
明治時代初頭の神仏分離令を経て筥堅八幡宮は明治5年(1872)に村社に列し、明治40年(1907)に周辺に鎮座していた蒲原神社と神明社を合祀しています。
筥堅八幡宮の拝殿は木造平屋建て、入母屋、桟瓦葺、妻入、桁行3間、梁間3間、正面1間向拝、外壁は真壁造板張り、向拝欄間には龍と波、木鼻には象、獅子の彫刻が施され内部には天保13年(1842)と天保15年(1844)に奉納された船絵馬が掲げられています。
本殿は一間社流造、桟瓦葺、拝殿背後は崖地になっている為か?又は御神体と思われる鉾立岩を遥拝する為か?本殿は拝殿の右側に拝殿方向を正面にして建てられています。
筥堅八幡宮の境内全域は古くから神域として篤く守られてきた為、多様種の巨木、古木が数多く存在し昭和3年(1928)に「筥堅八幡宮社叢」として国指定天然記念物に指定されています。祭神は応神天皇。
筥堅八幡宮:上空画像
【 参考:文献等 】
・ 現地案内板-文化庁・新潟県・村上市・八幡宮氏子会
・ 越佐の神社 式内社六十三-株式会社 新潟日報事業社
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