長岡市： 白山媛神社

白山媛神社（長岡市寺泊）概要：　 白山媛神社は新潟県長岡市寺泊大町に鎮座している神社です。白山媛神社の創建は不詳ですが、白山比�盗_社（石川県白山市）の分霊を修験者が海路で寺泊まで辿り着き勧請したのが始まりと伝えられています。創建年などは２度の火災により社殿をはじめ、社宝、記録なども焼失し不詳ですが承久の乱（１２２１年）敗戦で順徳院が佐渡に流される際、白山媛神社に参拝し宝器を奉納したという伝承がある事から少なくとも鎌倉時代には既に鎮座していたと思われます。

又、境内社の二面神杜の創建が明徳２年（１３９１）、猟師の霊夢に神の化身が立ち、その御告げに従い漁に出ると海上に御神体（形状から西洋船の船首に括り付けられた船の守護神が流れ着いた？）が出現し祭ったとの伝承もあります。創建に修験者が関わっている事から当初から神仏習合し別当寺院として胎蔵院が祭祀を司り「白山大権現」などと呼ばれてきましたが明治時代初頭に発令された神仏分離令により仏式が廃され社号も白山媛神社に改称、村社に列し寺泊総鎮守となっています。

白山媛神社の祭神である菊理媛命は水神（説）で境内は寺泊港が一望できる景勝地であることから特に海運、漁業関係者からの信仰が篤く多くの絵馬が奉納され、中でも安永３年（１７７４）から明治２２年（１８８９）にかけて５２枚の船絵馬が北前船造船史研究の上で大変貴重であることから昭和４５年（１９７０）に国指定重要文化財に指定されています。

現在の白山媛神社社殿は宝暦８年（１７５８）の火災で焼失後明和８年（１７７１）に再建されたもので拝殿は木造平屋建て、入母屋、銅板葺、平入、桁行４間、梁間３間、正面１間向拝付、外壁は真壁造板張り。本殿は一間社流造、銅板葺き。寺泊を代表とする古建築物と言えます。祭神は、菊理媛命、伊弉冉尊の２神（女神）。例祭は５月３・４日（旧鰯祭り、神輿渡御。１０万石の格式とされる大名行列）と９月１５日（神事のみ）。