青海神社(加茂市)概要: 青海神社は新潟県加茂市大字加茂に鎮座している神社です。青海神社の創建は奈良時代の神亀3年(726)、当時、周辺地域を支配した青海首一族が始祖である椎根津彦命の分霊を加茂山山麓に勧請し堂宇を建立したのが始まりと伝えられています。
その後、延暦13年(794)に京都市北区に鎮座する上加茂神社(賀茂別雷神社)の別雷命、京都市左京区に鎮座する下加茂神社(賀茂御祖神社)の賀茂建角身命と多多須玉依姫命の分霊を勧請したことで境内には3社が並列で祀られるようになり加茂の地名の由来になったと云われています(当地は加茂神社の荘園だった事から鎮守として勧請されたとも)。延長5年(927)に編纂された延喜式神名帳に記載されている式内社で青海郷23箇村の総社として歴代領主から崇敬されました。
特に春日山城の城主上杉家や新発田藩(藩庁:新発田城)の藩主である溝口家からの信仰が篤く、神領の寄進や社殿の造営などが行われました。万治2年(1659)には3代藩主溝口宣直が社領を寄進、元禄8年(1695)には4代藩主溝口重雄が御旅所を寄進と矢立御神事場を献納し古くから行われていた舟行神事を止めさせています。
宝暦7年(1757)、7代藩主溝口直温が社殿を再建した際、銅製経筒(内部には治承2年:1178年の銘の太刀と赤銅のこうがい)と銅製壺が出土し当時かた社宝として保存されています。明治時代の神仏分離令により仏式が排され、明治5年(1872)に県社に列しています。祭神は椎根津彦命、大國魂命。配祀は賀茂別雷命、多多須玉依姫命、賀茂建角身命。
社宝である青海神社境内経塚出土品(5点:刀子一口、藤双鶴文鏡、銅製経筒など)が昭和37年(1962)新潟県指定重要文化財に指定されています(銅製経筒と銅製壺は国指定重要美術品)。境内にある青海神社由緒碑は天明7年(1787)、当時の神主によって建立され、青梅神社の由来などが刻まれているもので昭和50年(1975)に加茂市指定文化財に指定されています。
青海神社本殿は室町時代の正平12年(1357)に造営されたもので、三間社流造、銅板葺。拝殿は明治10年(1877)に造営されたもので、木造平屋建て、入母屋、銅板葺き、正面千鳥破風、平入、桁行6間、張間5間、正面1間唐破風向拝、高欄、脇障子付、外壁は真壁造板張り。青海神社社殿4棟は貴重な事から昭和50年(1975)に加茂市指定文化財(建造物)に指定されています。
青海神社本殿の案内板
「 青海神社本殿は流れ造りと称するもので賀茂・御祖・青海の三神社の三棟が覆屋におさまった形式である。 正平12年(1357)の造営であって、棟札には「 延文2年7月」と北朝の年号が記されている。」
青海神社鶯張廊下の案内板
「 青海神社の鶯張廊下は宝暦7年(1757)新発田藩主溝口直温の命によって造営されたもので、鶯音を発する廊下は全国でも極めて希である。」
加茂市:神社・仏閣・再生リスト
青海神社:上空画像
【 参考:サイト 】
・ 公式ホームページ
【 参考:文献等 】
・ 現地案内板(本殿・鶯張廊下)
・ 越佐の神社 式内社六十三-株式会社 新潟日報事業社
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